Harmonic Table

Harmonic Table というのは演奏の機能性を高めるために蜂の巣(ハニカム)状に音階を配置した機構のこと(Harmonic table note layout – Wikipedia)。

Harmonic table input software | Make:
Harmonic table input software | Make:

通常の鍵盤に弾きなれた人にはかえって弾きづらくなるわけですが、音が数学的にというか幾何学的にというか、そのもとには物理学がきっとあると思われ、そういう形で整理されたり加工されたりっていうの、ちょっと憧れます。

HarmonicTableMusicNoteLayout - Harmonic table note layout - Wikipedia
HarmonicTableMusicNoteLayout – Harmonic table note layout – Wikipedia

今年のNAMMのニュースでは東京優勝と称することろが作り上げたWholetone Revolution/ホールトーンというのがあったようです(その後、販売終了してChromatone CT-312に引き継がれた模様 » http://chroma.jp/ ※こちらもついにリンク切れ)。
これを経験することで今まで自分で認知し切れていなかった何かが見えてくる可能性もあるんで、なんとなくテンションが上がってきます。

Wholetone Revolution(アーカイブ)

試作機なので、

・バグや故障に関するメーカー保障は御座いません。
・CT-312は今後増産の予定は御座いません。

Wholetone Revolution

とのことです。いわゆるHarmonic Tableの配列とは違うっぽい。

ほかにHarmonic Table型のものには、AXiS-64ってのがあるようです。

N見ていて思い出したのは、バンドネオンとかボタンアコーディオンの鍵盤ってどうだったっけと。
現物を見せてもらったことがありますが、話を聞いてもちんぷんかんぷんでした。
バンドネオン – Wikipediaを見る限りだと、

基本的なバンドネオン(ダイアトニック型)は、蛇腹を押すときと引くときで別の音が出る、音階配置がほぼ不規則といった独特の構造を持つ。これは発展途上で不足した音階を建て増しした歴史に理由があるようだ。この為、習得が非常に難しいことから「悪魔が発明した楽器」と呼ばれる。

バンドネオン – Wikipedia

もともとは不規則な鍵盤配置だったようです。続きを読むと、

ヨーロッパのアコーディオン奏者の要請に応えて構造を整理したクロマチック型バンドネオン(こちらの鍵盤配列は規則的)も作られたが、アルゼンチンタンゴでは主にダイアトニック型が使用される。タンゴの独特の音楽性は複雑な構造を持つバンドネオンの運指、吸気リズムを自然に活かした演奏技術との相互発展の産物であり、単純な合理性で再解釈できるものではない。

バンドネオン – Wikipedia

ヨーロッパ圏ではHarmonic Table型になっているのかも(未確認)。
それはそうと、上記Wpからの引用の後半部分の示唆的なことったらないですね。音楽は必ずしも合理的に説明されるものではないというか…。
合理的に説明できる普遍的な部分は必ずあるはずですが、風習とか、構造の違いがもたらすルールとか、意識的にせよ無意識にせよ、そういった類の目隠しの下の部分が初めから無いという前提で考えてしまうと、表現ってのは窮屈だよなあと。
もともと窮屈な中でアレはよいとかアレはつまらないとかいうのは、実はあまり意味がないことなんじゃないかとも思ったりして、自戒した次第。