Cory Henry による Crazy のカバーが興味深い

Crazy (Gnarls Barkley song) - Wikipedia
Crazy (Gnarls Barkley song) – Wikipedia

少し古めの映像ではあるのだけど、Gnarles Barkleyの” Crazy “を Cory Henry がカバーしてます。
だいぶ前に見てはいたのだけど、コード拾うとこまではしてませんでした。
ハンマー・ダルシマーをフィーチャーしたり、ドラムがNathan Townsleyだったり、ベースがJay Whiteだったり、パーカッションが小川慶太さんだったり、話題尽きないとこではありますが。

Cm Eb∆7 Ab Gsus4 / G
C Ab Eb∆7 Gsus4 / G

原曲はこういうシンプルなコード進行だったりして。
CeeLo Greenのライブで、亡きPrinceがギターで参加してる映像もYouTubeで見かけました。

んで、Cory Henryによるバージョンはリズムも思い切って変わっているけれども、コード進行も次のようにいじられ循環してます。

Db∆7 / C7 Db∆7 / C7 E7+9 / Fm7 Eb∆7 / D7+9

“and I hope …”のつなぎの部分は、こんな感じ。

Ab∆7+5 Gb∆7 Fm7 Gsus4 / G

Ab∆7+5は近年この界隈やヨーロッパ方面でよく使われる和音でFm∆7と互換性があって僕も頻繁に使うんですが、残念なことに僕の周囲ではあまり好まれない。意地で使ってますけど。
ハーフディミニッシュもm∆7と取っ替えがきくけど、やっぱりジャズミュージシャン以外であまりそういうアプローチで使う人は多くないですね。決して理解が浸透してないってことはないと思うんだけど、聞き手が聞き慣れないものは使わないようにするスタンスなんでしょう。
かろうじて、CmからCm∆7行ってCm7、Cm6 (OR F7)っていうクリシェ進行くらいで聞くくらいかな。でもこれももう手垢ついてるし…。

“Ever since I was …”からのrubato気味のとこは、はっきり聞こえないけど、こう?

Aø7 Bbm / Eb7 Ab∆7 Dø7 / G7

øはハーフディミニッシュ(m7-5)。
最後のG7はオルタードっぽく弾いてるようで。終始、経過コードとしてのディミニッシュは避けてますね(参考:9 Passing Chords EVERY Musician Should Know!!! – YouTube)。

さてDb∆7とC7が交互に出てくる循環コード前半。キーはFm。
これがDb7であればG7の真裏のコードで「チュニジアの夜」っぽく弾けたりもするんですが、歌メロではっきりCの音程出しちゃってるんでぶつけるわけにはいかず、Cのスパニッシュフリジアン(フリジアンドミナント)で縛らざるを得なそう。Bの音程出したらアウトです(経過音以外で)。あ、いずれ経過音のことも書いたほうがいいのかな。
Coryはフリジアンやジプシー音階やオルタード、コンディミ…はあまりないか、とりあえずその辺りの、2音目に♭のつくスケールをちょくちょく弾くのですが、この曲の場合メロディがCのマイナー・ペンタトニック気味であるお蔭で2音目の摩擦が起きないんで、結果的に…というと語弊があるけど都合いいと思います。

面白いと思ったのはFmの前のE7+9で、ここはC7でも良さげなのだけど同じコードが連続しちゃってダサいのでグルンと回してE7+9にしてます。これは僕もよくやる。
ただ僕の場合、手癖で+5にしちゃうんだけど、このアレンジでは+5にしないまま+9で鳴っていて、さっきまでBの音がアウトだったのにオイシく使われていることになります。悔しき。
このE7+9とその後のEb∆7とがカチ合ってる感じがして少々気持ち悪いのだけど、これも後続のD7+9のつなぎとしてまた利いてます。
コードアレンジは頭から作られたものをケツからいじっていくことでより”もっともらしさ”を出すことが多く(最近はそうでもないものも増えてる)、その好例と言えそうです。
これらのつなぎコードがすべて小節前半に存在してるのも特筆すべき点かも。いや、わりとあるけど、嫌がる人多いですからね。

この演奏においてはハンマー・ダルシマーがソロを取っているのだけど、これを仮に他の楽器がやることにしたら、意外や意外、なかなか楽しいです。
個人的には特にD7+9の箇所。ちょうどCでのブルーノートがD7+9での象徴的な音として登場するのが高ぶります(Electric Kifとのライブでは一部C6 on Dに変えたりしていて、これまたおいしい;演奏としてはこのElectric Kifとのバージョンがもっとも仕上がりがよい)。

もっとも、このまま弾いてもスケールなぞってるだけなので、どうやって膨らませて弾くのか試されますね。

【参考】

【過去の関連記事】

【採譜】 Cory Henry Blazin!!

【採譜】Snarky Puppy “Lingus”

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA