Atom Hub “Ghosts Of Autumn”に素材と作品との境界を思う

思うところあって予定外に購入してしまった、Atom Hubの “Ghosts Of Autumn”という音源。
最近は製品ダウンロード時に自分のDropboxを選択できる仕組みになって非常にありがたいですね。
それはそれでセキュリティ面万全なのかと不安が皆無でもないのですが。

http://www.atomhub.net/Ghosts_Of_Autumn.html

Atom Hub “Ghosts Of Autumn”

シンプルな見た目に反したヒネり

<a href="http://www.atomhub.net/Ghosts_Of_Autumn.html">Atom Hub</a>
Atom Hub

質の悪いフリー音源って最近目に入るじゃないですか。素材が月並みで音も良くないみたいなの。
えてして淡白にボタンやフェーダーが配置され、気休めな背景画像があてられてるもの。
Ghosts Of Autumnの見た目がそれに近いため当初は同様の雑多音源と思ったんですが、それにしては製品名がやや詩的であることが気になって、プレビューを聞いてみたら結構ひねりが利いてるわけですよ。
じゃあ、音楽を作るための音源としてどういうふうに作り込まれてるのかなと思ったのが食指動いたきっかけ。

ハッピーなサウンドってわけではなく、中には90年代ホラー映画のサウンドトラックのようなLo-Fiで陰鬱なものもあります。
というか、そういう音色が多いかな…。

同様にサウンドスケープ的な情景音を作り出せるものにはSpectrasoncisのOmnisphereやiZotopeのIrisがあるのですが、それらはいくぶんSci-Fi臭が強く存在感も濃いので、制作時には味を薄める工夫をする必要があります。つまり余計な手間がかかります。
それらに比べるとだいぶ薄味で、そのぶん使いやすそうな雰囲気が漂っています。

残念に感じたのは、結局1つのプログラムに対して1つのオーディオデータが貼られているだけの状態であること。
多くの音色が鳥や虫の鳴き声、足音といった環境音にシンセのドローンサウンドが重なったものなのですが、ミックスされた1本のオーディオデータになっていて、環境音とドローンとのバランスを取ることができません。
バラ素材としてぶっこ抜かれて転用されるのを避ける意味合いで、1本のオーディオデータにミックスすることが正義ではあるものの、購入者が自己を表現する音楽に使うには不便です。

しかし、これをメーカー、この場合サウンドデザイナー個人による作品の配信であると考えると、Kontaktを受信機とした楽曲配信と考えられなくもありません。
Scriptも駆使することで、もしかしたら曲の展開に変化をつけられる楽曲配信ってのも可能になり得ます…とはいえ、これはゲームの音楽業界だとインタラクティブ性として今どきふつうに行われてることですし、Reaktorの枠組みでは既にFLOWsやFleshなどがそれに近い感じの在り方になってるともいえます。
ともあれパッケージとして販売することの意味とか、価格の在り方とか、再考する機会になるかもしれませんね。

メーカーのスタンス

さて、メーカーのほかの製品はどうかというと、Wine Glassのようにノーカラーのものもありますが、製品一覧ページを見ると全体的に暗いトーンのものが多いようです。
あっ、Cuckoo Clay Bird(フリー)もこのメーカーでしたか。
音色は旋律次第で明るく聞こえさせることもできるので、暗さに関しちゃそんなに気にしなくていいとは思いますが、音色を探している間に気が滅入ってこない程度に心を鍛えておいたほうがいいかもしれません。

 

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