コラム373 心を亡くす
と書いて「忙」だなんてよく言いますけど、「忘」もそうですよね。
よく「忙しいとは心を亡くすと書きます」 という人いますよね。 確かに『忙』は心… – Yahoo!知恵袋
この辺りを見て、根拠を示さずに説明しようとする人の多さにちょっとビックリしたわけですが。
角川「新字源」(二八一版)を見てみると「忙」は
[なりたち]
形声。心と、音符亡バウ(ちる意→放ハウ)とから成り、気が散って落ち着かない意を表わす。
[意味]
(1)心が落ち着かない。
(2)いそがしい(いそがし)。せわしい。(対)閑。
(3){俗}租税を徴収すること。「上忙」
という意味で、「忘」は
[なりたち]
会意形声。心と、失う意と音とを示す亡バウとから成り、「わすれる」意を表わす。
[意味]
(1)わすれる(わする) (ア)記憶がなくなる。(イ)おろそかにする。「忘恩」(ウ)気にとめない。
(2)とりおとす。気づかない。「遺忘」
(3)そもそも。転語の助字。多くの場合、無と熟して用いる。(例文省略)(同)亡・妄
と書いてありました。参考にもなりません…。
参考までに、大修館書店:漢字文化資料館の中のQ&Aに、こういう情報はありました。
「忙」の部首「りっしんべん」は、もともと「心」という漢字が変形したものですから、たしかに「忙」と「忘」とでは、構成要素だけを取り出すと同じ漢字だといえます。しかし、「忙しい」は「いそがしい」、「忘」は「わすれる」で、意味は全く違います。
しかし、これに理由があるかといいますと、なかなかはっきりとしたことは答えられません。この2字の場合、現在では意味が全く違うとはいえ、「心ここにあらず」というような視点から眺めれば、意味の共通性がありえます。また、「忙」の字形は、紀元1世紀ころの漢字辞書『説文解字』(せつもんかいじ)には見あたりませんし、この字はもと「間の抜けたようす」を意味していて、「いそがしい」の意味で使うのは、唐王朝や宋王朝のころ(7~13世紀)以降だともいいます。以上から考えると、「忙」と「忘」は、もともとは同音同義の異体字だった可能性もあるのです。
-漢字Q&A(その2)
どなたが回答されたものかわかりませんが、『説文解字』の頃って「心」も「忄」も「⺗」も区別がなかったようなので、説得力ありますね(という無難な感想に留めておきます)。
※「新字源」からの引用は表記を変えています。







